株価の値上がりから一転の下落トレンド 5年では1.5倍
NTTの株価が低迷しています。コロナショック以降はほぼ右肩上がりに上昇し、2024年1月には192.9円の高値を付けました。しかし、同年5月に当期(25年3月期)の減益見通しを公表したところ、株価は下落に転じます。同年8月には、日本市場の急落で142.5円まで売られました。
以降はおおむね150円前後の取引が続きます。25年4月にはトランプ関税で135.2円の安値をつけたものの、同年5月には一時、24年7月以来となる160円台を回復しました。現在は再び150円台前半まで値を下げています。株価の5年騰落率はプラス55.3%と、日経平均株価(同プラス80.8%)に劣後する水準です。
【NTTの株価チャート(過去5年間)】
・株価:152.9円(2025年7月1日終値)
株価が停滞する一方で、配当利回りは高水準です。今期(26年3月期)は1株あたり5.3円の配当金を予定しており、配当利回りは3.47%となります。これは、東証プライム市場の加重平均(同2.42%、25年6月)より1%ポイント超上回ります。前期比より0.1円多く、予想どおりなら増配は15期連続です。
【NTTの予想配当利回り(2026年3月期)】
・予想配当金:5.3円
・予想配当利回り:3.47%
出所:NTT 決算短信
株価の小さいNTTは、NISAで買いやすい銘柄の1つです。同社は23年7月の株式分割で必要な投資額が従来の25分の1となりました。NISAでは成長投資枠で株式に投資できますが、その投資可能額は年240万円に限られます。NTTなら足元の株価水準で1万5600株まで買うことができ、年間投資可能額の99%を埋められます。配当金も非課税で受け取ることができ、計画どおりなら計8万2680円を受け取れる計算です。
とはいえ、先述のとおりNTTは株価に停滞が見られます。今後はどのように推移するのでしょうか。事業の概要と業績から探ってみましょう。