「アイオン」実用化へ投資集中 EBITDAで4兆円めざす
NTTが注力するのが、次世代の通信サービス構想である「IOWN(アイオン)」です。超低遅延かつ大容量・低消費電力を目指す構想で、通信の光技術での完結を目指す「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」など3つの要素で構成されています。
第1世代にあたるアイオン1.0では、遅延を従来の200分の1に抑制し、すでに23年3月から提供が開始されています。アイオン3.0では容量の125倍、アイオン4.0では電力効率の100倍を目標としており、それぞれ28年と32年までの開発を目指しています。
アイオンの実現に向け、投資も集中させます。NTTは28年3月期までの5年間で、アイオンをはじめとした成長分野(※)に約8兆円、既存分野(※)と合わせ約12兆円を投じる計画です。
※成長分野…アイオン、デジタル・データセンター、電力・エネルギー、スマートライフ、不動産、AI・ロボットなど
※既存分野…NTTドコモのコンシューマ通信事業、NTT東日本、NTT西日本
上記の投資に加え、キャッシュ創出力の強化に取り組みます。連結EBITDA(利払い前・税引前・償却前利益)を23年3月期比で20%増加(うち成長分野は同40%増加)させ、28年3月期に約4兆円の達成を目指します。