ドコモ中核の通信グループ、「NTT」が正式社名に 売上はシステムが最大

NTTは1985年に日本電信電話株式会社として設立されました。前身である日本電信電話公社(電電公社)が1952年に発足し、民営化に伴い誕生します。東証には1987年に上場し、一時は時価総額が世界最大となりました。NTTという名称は従来、同社の通称という扱いでしたが、25年7月に正式な社名となりました。NTT法を根拠法に持つ特殊法人で、同法に基づき政府が株式の3分の1以上を保有します。

NTTは国内で最大級の企業であり、グループ企業の数は1000社を超えます。中核子会社はNTTドコモで、25年3月期はグループの純利益の7割を同社が占めました。その他のグループ企業には、地域通信を手掛けるNTT東日本およびNTT西日本、国内外でシステムの開発を手掛けるNTTデータグループなどがあります。

また、マネックス証券やドコモ・ファイナンス(旧オリックス・クレジット)など、有力な金融企業も傘下に持ちます。25年5月には、住信SBIネット銀行の公開買い付けを開始するなど、近年は金融領域でも存在感が増しています。

【セグメント情報(2025年3月期)】 

NTTのセグメント情報を表した図表(2025年3月期)
 

※NTTドコモビジネス…旧・NTTコミュニケーションズ

出所:NTT 決算短信
 

サービス別の売り上げでは、システムインテグレーションが最大です。システムの開発や保守といったサービスを一貫して提供する事業で、デジタル化などを背景に需要が伸びました。音声やデータ通信が停滞するなか、NTTの最大の収入源となっています。

NTTのサービス別の営業収益を表した図表(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:NTT 有価証券報告書より著者作成