日本の地価で公的に発表されているものには、公示地価、基準地価、路線価の3つがあります。この7月に発表されたのは「路線価」で、毎年1月1日時点の、道路に面する土地の1平方メートルあたりの地価を示すものです。
それによると日本の土地は全国的に上昇しています。2025年分の全国平均路線価は前年に比べて2.7%のプラスとなり、その前年である2024年分の2.3%のプラスに比べて、上昇率も高まっています。直近の全国平均路線価は、2021年分こそ新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞を受けて下落したものの、2022年分以降は前年を上回っており、4年連続の上昇となりました。
都道府県庁所在地都市の最高路線価が昨年比で上昇したのは35都市、横ばいが11都市、下落が1都市でした。
1平方メートルあたりの路線価が最も高かったのは、「東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り」(鳩居堂前)で、ここは1986年分以降、40年間連続でトップです。ちなみに2025年分の路線価は4808万円でした。しかも、これだけ路線価が高額になると、上昇率は頭打ちになるのではと考えてしまいがちですが、銀座5丁目は前年からの上昇率も8.7%と、他の都市と比較しても高い方です。
なお上昇率という点で高い順に見ると、
1.さいたま市大宮区桜木町2丁目大宮駅西口駅前ロータリー・・・・・・11.9%
2.千葉市中央区富士見2丁目千葉駅東口駅前広場・・・・・・11.2%
3.京都市下京区四条通寺町東入2丁目御旅町四条通・・・・・・10.6%
4.奈良市東向中町大宮通り・・・・・・10.1%
5.神戸市中央区三宮町1丁目三宮センター街・・・・・・9.8%
というのがベスト5です。
逆に、都道府県庁所在地都市の最高路線価が昨年比で唯一下落したのは、鳥取市栄町若桜街道通りで、最高路線価は9万1000円。前年比で3.2%のマイナスでした。こうした点からも、大都市圏を中心にした不動産価格の上昇と、地方の厳しい状況が浮かび上がってきます。ちなみに上昇率が横ばいだった11都市は、山形市、福島市、水戸市、前橋市、津市、和歌山市、松江市、山口市、徳島市、松山市など地方都市が大半で、唯一の大都市は名古屋市のみでした。