「ハローキティ」50周年で好調 今期は「マイメロ」と「クロミ」も周年記念

最後に業績を確認しておきましょう。

先述のとおり、サンリオは利益が急拡大しています。構造改革で利益を出しやすい体質に変化したことに加え、脱コロナや外国人観光客の増加で売り上げが拡大し、利益成長につながりました。また、24年3月期からは「ハローキティ」50周年の企画も増収を支えました。営業利益は24年3月期に10期ぶりに過去最高を更新します。

躍進は25年3月期も続きます。売上高は前期比44.9%増、営業利益は同92.2%増と、大幅な増収増益でした。「ハローキティ」50周年イベントが24年12月まで続き、外国人観光客のほか、Z世代を中心に国内客でも売り上げが拡大しました。国内外のライセンス事業は、「クロミ」や「シナモロール」も人気化し、売り上げの伸長に寄与しました。

サンリオの業績を表した図表(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:サンリオ 決算短信より著者作成
 

今期(26年3月期)は「マイメロディ」が50周年、「クロミ」が20周年にあたり、関連イベントが売り上げを支える想定です。販管費は中長期的な投資から増加を想定しますが、北米や中国を中心にライセンスを拡大させ、営業増益を目指します。なお、純利益は前期に特別利益として投資有価証券の売却益24億円を計上していたこともあり、ほぼ横ばいの見込みです。

【サンリオの業績予想(2026年3月期)】

・売上高:1622億円(+11.9%)
・営業利益:600億円(+15.8%)
・純利益:420億円(+0.6%)
※()は前期比
※2025年3月期時点における同社の予想

出所:サンリオ 決算短信

計画どおりなら、営業利益は今期も2ケタ増益かつ3期連続の最高益となります。投資家は大きな期待を寄せているでしょう。決算の公表は高い関心を集めそうです。第1四半期の決算発表は8月8日の予定です。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)