自社株買い5000億円で株価急反発
信越化学工業は株価が下落しています。2024年3月の上場来高値6926円までは強い上昇トレンドでした。しかし、以降は値を下げる展開となり、2025年4月のトランプ関税ショックでは3425円の安値をつけます。
一方で、足元は反発の兆しもみられます。増収増益だった2025年3月期の本決算が公表されると、翌営業日の株価は一時8.9%高となる4405円まで上昇しました。同時に公表された最大5000億円の自社株買い(自己株式除く発行済み株式数の最大10.2%)も好感された模様です。
その後もおおむね買いが優勢で、現在は4500円台で取引されています。5年騰落率はプラス87.9%と、日経平均株価(同プラス81.5%)とほぼ同水準です。
【信越化学工業の株価チャート(過去5年間)】
・株価:4567円(2025年5月21日終値)
信越化学工業は「JPXプライム150指数」に採用されています。算出当初は資本収益性の高さで選出されていましたが、現在はPBR(株価純資産倍率)基準から選ばれています。純資産に対し株価が高い、つまり投資家の評価が高いことが選定理由です。
なぜ信越化学工業には投資家の支持が集まるのでしょうか。同社の事業内容と業績を解説します。