人気キャラクター豊富 「ハローキティ」依存は30%台半ばまで低下
まずは概要を押さえましょう。サンリオは1960年に誕生しました。贈り物などで人々をつなぐ「ソーシャル・コミュニケーション・ビジネス」を掲げ、ギフト商品の企画や販売を手掛けます。商品は委託生産で、うち8割は中国を中心とした海外に委託しています。
競争力の源泉は自社キャラクターです。1974年に生まれた「ハローキティ」を筆頭に、「シナモロール」や「マイメロディ」、「ポムポムプリン」など人気IP(知的財産)を多数保有します。「ハローキティ」の売上比率は25年3月期で35.3%と、10年前(同69.9%)から大きく低下しました。「ハローキティ」とその他キャラクターを組み合わせて展開する「複数キャラクター戦略」が奏功しています。
IPは自社での展開だけでなく、ライセンス供与も収益源となっています。25年3月期は、連結売上高の48.8%をロイヤリティが占めました。ほかに、「サンリオピューロランド」や「ハーモニーランド」など、キャラクターを生かしたテーマパーク事業も展開します。
【製品・サービス別の売上高(25年3月期)】
・商品販売およびライセンス:1286億円
・テーマパーク:151億円
・その他:11億円
※その他はロボットの販売・賃貸、自動車等の賃貸、損害保険代理業など
出所:サンリオ 有価証券報告書
セグメントは地域別で整理されています。主要市場は日本で、収益の多くは国内から得ています。海外は米国を中心とした北米や、香港や台湾といったアジアが主要市場です。海外は長らくアジアが中心でしたが、近年は北米が大きく成長し、日本に次ぐ市場となっています。
【セグメント業績(25年3月期)】