「年金制度は複雑でよくわからない」「自分はいくらもらえるのか不安」。
社労士みなみ氏が著者の書籍『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』では、一見難解に思える年金制度の中でも、“知らないと損する”ポイントをわかりやすく噛み砕いて解説しています。
見逃されがちな「ねんきん定期便」のチェックポイント、消えた年金の探し方、誤解されやすい在職老齢年金の制度など、誰でも今日から実践できる“もらい損ねない”ための方法を紹介してもらいます。(全3回の1回目)
※本稿は、社労士みなみ著『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』(かや書房)の一部を抜粋・再編集したものです。
受給額を知るために必要な「ねんきん定期便」の正しい見方
みなさん、「ねんきん定期便」はご存知でしょうか? そうです、毎年の誕生月に届くあの通知です。50代の方であれば、ハガキで届いています(59歳は封書)。
しかし、ハガキを受け取ったとしても、多くの人が軽く目を通すだけで、簡単な確認で済ましているのではないでしょうか。
それでは、この「ねんきん定期便」には何が書かれているのでしょうか?
「ねんきん定期便」は、自分の年金の加入状況や将来受け取れる年金額の見込みを確認できる大切な書類です。
その中で、ここだけは知っておいて欲しいというポイントを紹介します。これは、50歳以上の方も、50歳未満の「ねんきん定期便」も、確認すべき要点は共通しています。
まずは、下記の様式をご覧ください。特に確認していただきたいのはAの欄です。ここに書かれている金額は、今の状態のまま働いた場合、65歳から受け取れる年金額の目安です。

これはあくまで「現在の加入条件が60歳まで続いた」と仮定した場合の金額ですので、もし今後、会社を早期退職したり、役職定年で給与が減ったりといった働き方の変化があった場合は、ここに書かれた目安額よりも実際の年金額が少なくなる可能性があります。
それとは逆に、昇進などで給与が増えた場合は、年金額が増える可能性もあります。ここに記載されている金額は確定額ではなく、今後の見込み額であることを理解しておきましょう。