「年金制度は複雑でよくわからない」「自分はいくらもらえるのか不安」。
社労士みなみ氏が著者の書籍『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』では、一見難解に思える年金制度の中でも、“知らないと損する”ポイントをわかりやすく噛み砕いて解説しています。
見逃されがちな「ねんきん定期便」のチェックポイント、消えた年金の探し方、誤解されやすい在職老齢年金の制度など、誰でも今日から実践できる“もらい損ねない”ための方法を紹介してもらいます。(全3回の2回目)
●第1回:「ねんきん定期便」のここを見よ! 65歳から受け取れる年金額がわかる項目は
※本稿は、社労士みなみ著『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』(かや書房)の一部を抜粋・再編集したものです。
もらえるはずの年金が放置されているかも!
そして、国民年金や厚生年金といった公的年金制度とは別に、企業年金や個人年金といった「私的年金」があります。確定拠出年金(企業型DC、iDeCo)、確定給付企業年金、国民年金基金、そしてかつて多くの企業にあった厚生年金基金などがこれにあたります。これらの私的年金についても、「ねんきん定期便」には原則として記載されていません。
その中で、特に注意が必要なのが、厚生年金基金の未請求年金です。過去に厚生年金基金に加入していたのに、退職時に年金を受け取るための手続きを忘れてしまっている方が非常に多くいらっしゃいます。
50代のみなさんにとっては、少し気が早い情報ですが、知っていれば得をすることもあるので、お伝えしておきます。入社から10年や15年に満たずに退職した場合、その期間の年金資産や支払い手続きが「企業年金連合会」に移管されていることがあります。
企業年金連合会が支払っている未請求の年金は終身で受け取れる年金です。
厚生年金基金に加入していた期間があるか不明な場合は、年金事務所に問い合わせるか、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用して、「被保険者記録照会回答票」を取り寄せてみましょう。
この書類に厚生年金基金の加入期間が記載されているのに、年金を受け取っていない場合は、企業年金連合会に確認しましょう。
その他に、過去の年金記録に漏れがあり、それが原因で本来もらえるはずの年金が受け取れていないケースがあります。