高齢者世帯「公的年金100%」で暮らす世帯の割合は?

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、「総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%」の世帯はどのくらいなのか。

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合を表した図表
 
出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
 

公的年金・恩給の総所得に占める割合

・100%の世帯:43.4%
・80~100%未満の世帯:16.4%
・60~80%未満の世帯:15.2%
・40~60%未満の世帯:12.9%
・20~40%未満の世帯:8.2%
・20%未満の世帯:4.0%

この結果から所得のすべてが公的年金・恩給である世帯が43.4%と最も多いことが分かる。つまり高齢者世帯の4割以上が公的年金・恩給のみを収入源としているということだ。

なお、公的年金・恩給が所得の60%以上を占める高齢者世帯は75.0%に達する。高齢者世帯の4分の3が収入の60%以上を公的年金・恩給に依存している状況だ。

以上から、高齢者世帯には以下のような経済的傾向があるといえそうだ。

1. 所得水準の低さ:他の世帯と比較して総所得が大幅に低い
2. 公的年金への高い依存度:4割以上の世帯が公的年金のみに依存
3. 稼働所得の限定性:稼働所得の割合が4分の1程度にとどまる

特に公的年金・恩給のみを収入源とする高齢者世帯が43.4%を占めるという事実は、年金制度の持続可能性や高齢者の生活保障において今後よりいっそう重要な課題となってくる。現実的には公的年金以外の資産にも安定した老後生活を送るための活路を求める必要がありそうだ。

●公的年金以外に頼れる老後資金は…後編「年代別「貯蓄」「年間収入」「持ち家率」ランキングから読み解く老後戦略」にて詳報する。 

調査概要 調査名:2024(令和6)年 国民生活基礎調査 調査主体:厚生労働省 調査実施日:2024年6月6日(世帯票)、7月11日(所得票)集計客体数:4万362 世帯(世帯票)、4901世帯(所得票) 公表日:2025年7月4日