NISAの日だから思い出したい「2014年、制度開始当初のこと」
2月に入ると商業施設はバレンタインデー一色になるが、実はそのバレンタインデーの1日前、2月13日が「NISA(ニーサ)の日」であることをご存じだろうか。2014年に旧制度のNISA開始年に、特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会が、NISA制度の普及を促すことを目的として制定し、後に一般社団法人 日本記念日協会により認定・登録がなされた。そう、「NISAの日」は、れっきとした「記念日」なのである。
2024年には、「新語・流行語大賞」にノミネートされるまで認知度が高まった(新)NISAだが、2014年の制度開始当初は、今よりも資産形成の色合いが薄かった。というのも、口座獲得競争が激化していた中、“手っ取り早く”NISA口座を獲得できる手段として、金融機関各社が既存客のNISA口座開設を急いだためだ。この結果、当局の思惑とは裏腹に、NISA口座保有者は高齢層に偏り、銀行では毎月分配型の投資信託、証券会社では個別株が買われるなど、制度の主旨から外れる使い方がなされる事態となった。2018年と2024年にそれぞれ始まったつみたてNISAと新NISAが、「投資信託の積立」を前提に制度設計がなされたのにはこうした背景がある。
つみたてNISAの開始以降は、積立投資の有効性が認識されるようになり、また、マイナンバーカードの導入により口座開設手続きが簡略化されたことも相まって、若年層を含む初心者層が急増した。資産形成が身近になる中、SNSを含むネット上の情報も大幅に増えたが、その多くは「ハウツー」的な内容に偏っていると感じる。筆者自身もこうした情報の提供元の1人ではあるのだが、ここからは、今一度原点に立ち返り、資産形成に取り組む上で大切な心構えを2つほど取り上げたい。