経過的寡婦加算も付くことに
また、正子さんの遺族厚生年金には経過的寡婦加算(1956年4月1日以前生まれが対象)も加算されます。経過的寡婦加算が遺族厚生年金に加算されるためには、厚生年金加入中の死亡などでなければ、本来、死亡した人の厚生年金被保険者期間が20年以上必要です。
しかし、中高齢者の特例に該当している人が亡くなると、これも20年あるとみなされることになります。加算額は受給する妻の生年月日によって異なりますが、正子さんの場合は年間2万円程度の加算です。遺族厚生年金40万円に2万円の経過的寡婦加算が加算され、合計42万円となり、秀治さんの死後、受給できることになります。
こうして正子さんは、0円だと思っていた遺族年金を受けられることが判明しました。新たに受けられる42万円の遺族年金と正子さん自身の老齢基礎年金とをあわせて受給することになります。正子さんは「何とか生活できそう」と考え、亡き秀治さんには「安心して大丈夫だからね」と思うのでした。
遺族年金が支給されるためには要件があります。支給されないと思っても支給されるケースもあります。自身亡き後の家族のことも考えるのであれば、遺族年金についてもあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
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