年金は保険料の納付実績により計算されます。60歳になっても保険料を払って年金を増やすことがまだまだ可能ですが、計算のルールがありますので、事前に知っておきたいところでしょう。
「1カ月納付で1700円アップ」という情報
自営業者の信二さんと幸恵さん夫婦はともに59歳。誕生月も近く、2人ともまもなく60歳を迎えます。将来の年金がもう少し増えないものか気になる信二さんと幸恵さん。インターネットの情報を見ると、「65歳からの老齢基礎年金の満額は年間81万6000円(2024年度)、40年(480月)納めた場合にこの額になります。つまり、1カ月納めると年額1700円ずつ増える計算です」とのことでした。
「816000÷480=1700」と電卓で確認し「なるほど」と思った信二さんと幸恵さん。国民年金保険料が2024年度は月額1万6980円、2025年度は月額1万7510円。5年(60カ月)分納めると100万円ちょっとかかりますが、年額10万2000円(1700円×60カ月)の老齢基礎年金が増えるとなると、65歳から10年間受給することで払った保険料にほぼ等しい額になる計算です。
信二さんは「俺、若い頃国民年金の保険料払っていなかったんだよ。ほら、全部で8年6カ月(102月)も未納がある」「昔の保険料は今から納められないけど、60歳から65歳になるまで国民年金保険料は任意に納められるらしい。老齢基礎年金を満額にするのは無理でも5年間(60月)納めたら、10万2000円増えるってことだよな」と幸恵さんに言います。
幸恵さんは「10年だったら75歳か。私も若い頃納めていない期間があったからなぁ。全額免除してもらって、それが合計96月も……。私も60歳以降も国民年金保険料払って老齢基礎年金増やしたいな」と思うようになります。