IFA日下さんがくれた老後へのアドバイス
日下さんのオフィスで初めて対面を果たした時、開口一番言われたのが「五十嵐さんは大変几帳面な方ですね」という言葉でした。
面談を前に相談内容のメモや資料を大量に送っていたので、そのことを指しているのだと察して思わず赤面しました。
すると、日下さんは「私もかなり几帳面なタイプで、妻からは『小うるさい』とよく言われます。でも、そういう人って、大成功はしなくても大失敗も回避できると思うんですよね」と優しい言葉をかけてくれました。
その日、私たちの老後不安について日下さんが下さった助言は次のようなものでした。
「ご主人の性格を劇的に変えることは難しいかもしれません。でも、五十嵐さんはそうした中でも、これまでしっかりお金を貯めてきたわけですから、それほど心配することはないように思います。男性の健康寿命は女性より短くて72~73歳です。ご主人がバイクやゴルフを楽しめるのも今のうちだけと思えば、笑顔で送り出してあげる気になりませんか?」
そして、こんな提案をしてくれたのです。
「2年後には、ご主人の退職金が2200万円入る予定です。ご主人が60歳でリタイアしても、公的年金を受給するまでの生活費はその中から賄えるでしょう。五十嵐さんがアルバイトを続けるのであれば、5年間の必要額はざっと1200万円ほどです。残りの1000万円は老後の緊急資金用にキープし、現時点での貯蓄3000万円は運用しながら取り崩していくことを考えてはいかがでしょうか? 毎月10万円ずつ換金して生活費に充てていくと、ご主人が65歳から取り崩しを始めて90歳までもつ計算です。仮に年3%で運用できれば、資産寿命は110歳まで延びます」
運用しながら取り崩していくというのは、それまでの私にはない発想でした。とはいえ、今年から始めたNISAの積立残高の推移を見ていれば、「年3%」という数字が決して無謀ではない、むしろ控えめな設定であることが分かります。