<前編のあらすじ>

五十嵐美和さん(55歳・仮名)は結婚30年になる夫と2人暮らしです。アルバイト事務員として都内の医療機関で働いています。

堅実な五十嵐さんに対し、夫は浪費家で性格は正反対。五十嵐さんは価値観の違いに悩みながらも家計を管理し、3000万円の貯蓄を達成しました。

2019年に老後資金問題が話題になってからは自分たちの老後のことが気になり専門家にも相談してみますが、変額保険を勧められて不信感を抱きます。

そうした中、同僚の誘いで投資セミナーへ参加することになりました。

●前編:【浪費家の夫と迎える「子なし・持ち家なし」の老後が不安…50代女性がお金の悩みを払拭できた「偶然のきっかけ」】

お金の価値観が正反対の夫婦

夫とは結婚して30年になりますが、お互いの性格は、よくこれほど長く一緒に暮らしていられたものだと思うくらい真逆です。

端的に言えば、私はコツコツ節約してしっかり貯蓄をするタイプ。夫は後先構わずに浪費するタイプ。趣味のバイクや車、ゴルフや飲み会と、これまでどれくらい散財してきたかしれません。

それでも定年まで2年となった現時点で3000万円の貯蓄ができたのは、私たちには子供がおらず教育費がかからなかったのと、転勤族で社宅や借り上げ住宅暮らしが長く住宅費の負担も抑えられていたからだと思います。

とはいえ、5年前には「公的年金だけでは老後資金が2000万円足りない」問題がクローズアップされ、心配性の私は、マイホームも確保できていないわが家は2000万円以上の貯蓄があっても全然足りない、特に夫のあの性格だと老後破産まっしぐらではと不安を募らせました。

その頃、家計の専門家に老後資金の相談をしたりもしたのですが、インフレ対策にと変額保険を勧められて逆に不信感を持ってしまいました。