投信というものの“骨格”は変わらないが、購入窓口である販社には変化が必須

最後に投資商品の変遷についてですが、株式や債券、さらにはこれらをパッケージングした投資信託の商品性は、これまで根本的なところで大きくは変わってきませんでしたし、それはこれから先も同じだと考えます。

もちろん、ブロックチェーンがかつてのインターネットのように一般的に普及し、株式や投資信託、債券など、有価証券の価値がブロックチェーン上に記録され、デジタルアセットとして流通する時代は来ると思います。

でも、それはあくまでも取引・流通の仕方が変わるだけで、株式や債券、投資信託といった投資商品の基本的な役割、商品性が、根本からガラリと変わるわけではありません。

せいぜい、投資信託の投資対象の範囲が広がり、たとえば現在は運用資産の15%まで組み入れが認められている未上場株式の上限が撤廃される、といったことが将来的に起り得るかも知れませんが、さまざまな投資対象をパッケージにし、運用会社が個人の代わりに運用して得た利益を、受益権の持ち分に応じて配分するという、投資信託の基本的な骨格が大きく変わるようなことにはならないでしょう。それは株式や債券も同じです。

今後10年で「貯蓄から投資へ」の流れが定着するのかどうか。

過去の経緯からすると、それは投資商品そのものの魅力というよりも、その購入窓口となる証券会社などの金融機関が、どこまで顧客利便性を高められるかにかかっています。

ただ、ブロックチェーン技術が一般的に普及した時、ひょっとしたら個人が投資商品を購入する窓口としての金融機関の役割は、終わりを告げるのかもしれません。