<前編のあらすじ>
佑香(42歳)は、今年も田舎の義実家にお中元を贈った。まもなくして義母・美恵子(72歳)から、お礼の電話がかかってきたかと思えば、夫・潤一(44歳)の兄嫁はもっといいものを送ってきたと、遠まわしに嫌みを言われる始末。何かにつけて兄嫁を引き合いに出して比べてくる義母に、佑香はうんざりしていた。
そんななか、今年もお盆の帰省で兄夫婦たちと一堂に会することになった。表面的には平等を装いながらも、義母は何かにつけて兄嫁を褒め、佑香をけなすような態度を取り続ける。
そして、兄嫁の息子は中学受験に成功したが、佑香の息子は公立中学を選んだことをけなされ、我慢の限界だと夫に訴えた。だが、義母は心配してくれているだけだと、あくまでも母親の肩をもつ夫になおさらうんざりし、ため息をついた。
●前編:「義家族の前で恥をかかされ…」お盆の帰省、義母に頭が上がらない夫に幻滅した主婦を待っていた「驚きの展開」
義母のたくらみ
夕食を終えた佑香、曜子、美恵子の3人は台所で洗いものをしていた。夫の潤一と、あとから合流してきた義兄の俊之は野球を見ながら、ああでもないこうでもないとペナントレース終盤の予想をしている。
「皆、デザートは食べる?」
「あ、じゃあ、私、準備しますよ」
曜子がテキパキと答えるので、佑香もそれに追随する。
「でもね~、何か甘いものとかあったかしらね……」
美恵子はわざとらしく考え込み、顔を上げるとにやりと笑った。
「そうだ、アイスがあるのよ。暑いからちょうどいいわね」
「いいですね!」
曜子はうれしそうに、声を上げる。佑香は居心地の悪さを感じる。もう既に、美恵子が何をたくらんでいるのか、うすうすだが想像できていた。