ワインバーに呼び出されて始まった保険勧誘
その金井さんから「飲みに行かない?」と声がかかったのは年が明けて間もなくのことでした。私はちょうど新NISAの「つみたて投資枠」で金井さんから紹介された全世界株式型の投資信託への積み立てを始めたばかりでした。
それもあって金井さんに何かしらお礼をしなければという思いがあり、その週の金曜日の夜に2人で飲むことになったのです。
金井さんが指定したのは、私がほとんど足を踏み入れたことのないようなおしゃれなワインバーでした。
「すごいなぁ。いつもこんなお店に来ているんですか?」とうらやましがると、「お客さまを接待することが多いから、SNSやグルメサイトで日頃からいいお店を探しているの」と教えてくれました。いかにも仕事ができる女性という感じで、ますます尊敬してしまいました。
香りのいいシャンパンで久しぶりの再会と私の新NISAデビューを祝した乾杯をし、互いの近況や仕事の話などをした後、金井さんがおもむろに「ところで、結菜ちゃんは保険に興味ない?」と尋ねてきました。
「実は全然入ってなくて、そろそろ入った方がいいかもとは考えてるんですけど……」
金井さんにはお世話になったので、金井さんが営業する保険を契約するくらいのことはしてもいいと思っていました。
しかし、そこで金井さんから聞かされたのは意外な話でした。
●金井さんの目的が保険勧誘であることに、うすうす気付いていた坂口さん。しかし勧誘の内容は保険だけではありませんでした。後編【「信じてもいいのかな」かき集めて預けた500万円が水の泡…女性の警戒心をなくした詐欺師の「魔法の言葉」】で詳説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。