キャンセル代と追加費用をめぐり大修羅場に

ということで、当日会場にやって来たのは、私以外は香織や梓ら地元組ばかりの8人。地元組は卒業後もそれなりに交流があったらしく、最初こそ「本当に久しぶりだね」「今何してるの」と声をかけてくれましたが、その後は子供の学校や市役所の新庁舎などローカルな話題ばかりで私一人が蚊帳の外でした。

「こんなことなら来るんじゃなかった、幹事なんか引き受けるんじゃなかった」と後悔しました。香織は中学時代から仲が良かったグループで固まり、ワインのボトルを2本開けていました。

参加者が少ないこともあって会自体がそれほど盛り上がらず、2時間もしないうちにお開きになりました。トラブルが起きたのは、その会計の時でした。

店側は運休で半数が出席できない事情をくんで、20万円という当初の請求額を14万5000円(20人分の料理代と9人分の飲み放題料金)まで下げてくれましたが、一方で追加のワイン代4万円が上乗せされていました。香織たちが頼んだワインは、飲み放題の対象外だったのです。

驚いたのは、同級生の誰一人として欠席者の分を補塡(ほてん)しようとはせず、当然のように1万円札を差し出してきたことです。香織に至っては「飲み放題だと聞いていたから頼んだだけ」とシラを切り、自分たちが飲んだワイン代さえ払おうとしません。

さすがにこれは黙っていられず、「それはないんじゃない? 自分が飲んだ分くらいは払ってよ」と迫ると、香織は「幹事のあんたの情報管理が徹底されてなかったせいじゃない。あたしに責任押し付けないでよ」と開き直りました。