次第に強くなった「わが子」への思い

佐藤さんは、「もっと早く婚活を始めていれば……」と後悔したものの、自分の子どもが欲しい気持ちには変わりありません。だからこそ婚活を諦めませんでした。むしろ、お母さんを亡くしたことで、自分がこの世を去った後は、わが子に相続させたいと強く願うようになったのです。

初めに入会した結婚相談所では、子どもが産める年齢の女性を希望していたために、相談所の担当者には「そんなの無理ですよ!」と言われ、自分の年齢に合う女性を薦められたそうです。苛酷な現実に直面した佐藤さんは、「現状のままでは自分が希望する女性との結婚はできない」と思い、筆者が経営する結婚相談所に入会しました。

筆者の元では、これまで年の離れたカップルの誕生がしたことが何件もありますから、ぜひ佐藤さんにも希望をかなえて幸せになってほしいと思い、婚活の応援をスタートさせたのです。

ついに出会った理想の相手

しばらくして現れたのが、いずれ結婚相手となる30代の清水春奈さん(仮名)。専門学校卒、個人事業主、そして美人。再婚を希望していて、お子さんがいる方でした。

婚活の現場では、事実として子どもがいる女性を敬遠する男性もいますが、佐藤さんは逆で、清水さんは願ってもない女性でした。なぜなら、出産の経験があるので、今後自分たちの子どもが生まれる可能性もあるのではないかと考えたからです。

気になるのは清水さんのお子さんですが、親権が元のご主人にあるため、佐藤さんと清水さんが結婚した後でも、相続の問題が発生する心配はありませんでした。

●ついに現れた理想の相手。2人の距離はどのようにして縮まったのか? 後編【62歳男性が本気の婚活で出会った「運命の女性」年の差婚をかなえた“最大の勝因”】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。