投資家は米国REIT投信を解約すべきか?

もちろん、だからといって米国REIT投信を保有している人に解約を勧めるという話ではありません。

運用成績の悪化は仕方のないことです。投資信託を用いて長期投資している限り、どこかで必ず運用成績の悪化には直面します。大事なのは、そういう時に狼狽して解約に走らないことです。

6月12日付、日本経済新聞の記事によると、三菱地所の米国不動産投資子会社、TAリアルティのマネジングパートナーであるジェームズ・ラシディス氏は、「オフィス市況回復は2025年までないかもしれない」というコメントを寄せています。これを、ややポジティブに受け止めるならば、2025年以降は回復する可能性がある、というふうにも読み取れます。

それでも耐えるのがつらいという人は、全部を解約するのではなく、一部を解約してポジションを縮小させます。そうすれば、マーケットが荒れた時でも含み損の発生を最小限に抑えられるので、耐えられます。

全部解約してしまうと、いざ底を打って回復に向かい始めた時でも、「また下がるんじゃないか」という気持ちが先に立ってしまいがちで、そうなると今度はいつまでも買えなくなってしまいます。だから、ほんのわずかでも残しておくのです。

あくまでの気持ちの問題ではありますが、案外、追加購入のハードルは下がります。基本的なスタンスとして、マーケットが下がっているからといって慌てて解約しないこと。ファンドの運用に大きな支障を来さない限り、持ち続けることをお勧めします。特に、10年単位の長期目線で購入している人であれば、なおのことです。