かつての金融詐欺の標的

金融詐欺をはたらく人たちは、誰をメインターゲットにするのでしょうか。

以前は専ら高齢者でした。それも年老いた夫婦だけで生活している世帯、あるいは一人暮らしの老人が狙われたのです。

国勢調査の数字を見ると、2005年から2020年までの間に、いわゆる核家族世帯の比率は57.7%から54.2%まで微減し、二世代同居や三世代同居などその他世帯の比率は12.8%から7.7%へと減少しています。

また、核家族世帯のなかでも「夫婦と子供から成る世帯」の比率は29.8%から25.1%に減少し、「夫婦のみの世帯」は19.6%から20.1%に増加し、かつ「単独世帯」は29.5%から38.1%へと大幅に増加しました。

これらの数字が意味するのは、それだけ高齢の夫婦、あるいは死別や離婚によって一人暮らしをしている高齢者が増えているということです。

金融詐欺をはたらく連中は、こうした高齢者の心の隙間に入ってきます。

「寂しい」、「つまらない」と思って日々、生活している高齢者の住まいを訪れ、話し相手をしながら信用させ、詐欺的な投資話を持ち掛けるのです。