相続税の不安はないものの…継母の姿にモヤモヤ
若い頃に会計事務所に勤務していた妻は、「信頼できる税理士の先生を紹介するから、先生を交えてお母さんと話し合ってみたら」と言います。しかし、父との関係性や、これまで父の世話を継母任せにしてきたことを考えると、私の立場から強く言えることでもありません。
加えて、わが家の場合、相続税の基礎控除(3000万円+〈相続人の数×600万円〉)は4200万円になりますから、課税対象となるのはそれを超える金額です。さすがの継母も3000万~4000万円単位のお金をごっそり移し替えてはいないでしょうから、相続税の申告をしなくても、後で税務署の“お尋ね”が来ることはないはずです。そう思って、継母の言うままに件の司法書士から送られてきた遺産分割協議書にサインして実印を押し、返送しました。
あれから1年半。案の定、継母はさっさと自分の実家に引き上げ、昨夏の父の一周忌にも「体調が悪いので出席を控える」と姿を見せませんでした。しかし、地元に住む叔母(父の妹)の情報によると、婦人会のコンサートや歌舞伎の鑑賞会に顔を出したり、妹と海外旅行に出かけたりしているようです。頑固な父の介護から解放され、セカンドライフを謳歌しているのでしょう。
身から出たさびではありますが、釈然としない思いを抱えながら月に1度、実家の片付けに通う昨今です。
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※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。