父の預金を自分名義の通帳に移し替えていた?
私が父から相続するのは自宅不動産のみ。さえない地方都市の100坪ばかりの土地と築40年の家屋など、資産価値はたかが知れています。むしろ、継母が足を悪くしてからほとんど掃除もしていない2階などはほとんどゴミ屋敷状態で、後片付けを考えると気が重くなりました。継母は自分の実家に戻って妹と暮らすと話していたので、早めに処分しないと、その間は固定資産税を支払い続けなければなりません。
それにしても、です。25年前に父がリタイアした時には3000万円ほどの退職金があったと聞きました。父はその後も数年にわたって町の教育長などを務めており、当時の収入や退職金もあったはずです。年金収入も、月額25万円は下らなかったと思います。いくら仲間とのゴルフや旅行で散財したといっても、父の財産がわずか数百万円というのは解せない話です。
恐らくは継母が父の預金を何度かに分けて引き出し、自分名義の通帳に移し替えていたのでしょう。そして、そのきっかけとなったのが、私が継母に伝えた「認知症だと分かると、父のお金が自由に使えなくなる」という言葉だったのは想像に難くありません。いくら同僚からさんざん愚痴を聞かされていたとはいえ、あの時、不用意にあんな話を継母に聞かせるべきではなかったのです。いくら悔やんでも悔やみきれません。
私たち夫婦や子供たちが将来地元の栃木に戻ることはないでしょうから、今後は“家じまい”だけでなく、祖父母や父母が眠る“墓じまい”もする必要が出てきます。となれば、数百万円単位の出費を覚悟しなければならないでしょう。父の遺産が当てにできないとすれば、“全額自己負担”です。わが家は共働きですが、下の息子はまだ高校生ですから、あと5年ほどは教育費もかかります。