予想外に高額な遺産を相続できることが分かったら、ついつい期待してしまうものです。しかし遺産相続にはトラブルがつきもの。他の相続人との大きな紛争に巻き込まれることも多いので注意しなければなりません。
今回は遺産相続で親族ともめ事になり、大変な目に遭った鈴本さん(仮名)の事例を紹介します。
「自分には相続トラブルなんて関係ない」と思っている方に限って大きなトラブルに巻き込まれやすいので、皆さんもぜひ参考にしてみてください。
鈴本さん(50代男性)のケース
鈴本さん(仮名)は神奈川県内で自営業を営む男性です。妻と2人の子どもがいて、子どもは2人とも大学生。何かとお金がかかるので、家計はいつもギリギリでした。
母親はすでに亡くなり、高齢の父親が長兄と同居している状態でした。鈴本さんは3人兄弟の末っ子で、上には兄が2人います。
ある日、長兄から「父親の容体が悪化している」と連絡を受けました。父は病院へ搬送されましたが、ほどなく逝去。鈴本さんたち兄弟は少なからずショックを受けましたが、葬儀などのしなければならないことも多く、あまり悲しんでいる余裕はありませんでした。
予想外に多くの財産が残されていた
父が死亡して発覚したことですが、父は鈴本さんが思っていたより多くの財産を残していました。「相続税がかかるほどは遺産なんてないだろう」と考えていたのに、実際には6000万円もの財産があったのです。
鈴本さんは「単純計算でうちにも2000万円が入ってくる。それならずいぶん助かるな」と思いました。