都内の大学に通う田村さん(仮名、21歳男性)は1人暮らし。アルバイトをしていますが生活が厳しく、将来の奨学金返済にも不安を感じる毎日でした。

そんなときにネットで「先払い買い取り」の広告を見つけます。「商品画像を送るだけでお金が振り込まれる」「実際には商品を売る必要がない」とのことで、そんなに簡単ならと田村さんは飛び付きます。

早速、自分のPCの写真を適当に送ると、本当に10万円が振り込まれました。ところが、すぐにキャンセル料として13万円を業者に支払わなければならなくなったのです……。

●いったいどういうこと!? 「新手の闇金」に大後悔
※前編【「新手の闇金」に手を出してしまった大学生…深く後悔するも手遅れに】からの続き

先払い買い取りとは

そもそも田村さんの利用した「先払い買い取り」とは何なのでしょうか?

先払い買い取りは、業者へ商品を売ったフリをして実際には売らず、代金だけを払ってもらう商売です。ただし商品の売却については、その後「キャンセルすること」が前提になっています。

先払い買い取りで商品を売ると、いったんは先払い買い取り業者から商品の代金が振り込まれます。ただし商品の売買は取り消され、利用者は先払い買い取り業者へキャンセル料や違約金を払わねばならない仕組みです。違約金の金額は先払い買い取りによる買い取り金額より高額なので、利用者は結局損をしてしまいます。

このように、実際には商品のやりとりをせず初めからキャンセルが予定されているのが「先払い買い取り」の特徴です。一時的にお金が必要な人などが利用するケースが多く見られます。