代々受け継いだ自宅が義弟の手に渡ってしまう

もともと、義弟一家にはいい印象がありません。車で20分ほどのところに住んでいるので年に数回はわが家を訪ねてきますが、しつけの行き届かない子供たちが絨毯の上を泥のついた足で走り回ったり、特注したソファの上で跳ねたりします。ある時には値踏みするような目つきで家の中を見回し、「義兄さんはこんな立派な家をご両親からもらって運がいい。でも、いつかは姉さんが引き継ぐかもしれないわけだ」と言われたこともあります。

義弟が何を言いたいのかはすぐに分かりました。私は職業柄相続の話を聞くことも多く、子供のいない私たちの家が将来、義弟の手に渡る可能性もあることは自覚していたからです。しかし、それは到底承服できるものではありません。今のうちに手を打っておかないと大変なことになる。内心焦りを募らせていた時に頼ったのが、税理士でファイナンシャルプランナー(FP)の岩下さんでした。

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※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。