毎月15万円を義弟に援助していた妻

わが家は夫婦で財布は別なので、妻の収入がどれくらいあるのか正確に把握しているわけではありません。とはいえ、自宅の固定資産税や光熱費は私持ちですから、生活費を折半しても、妻の懐には毎月10万円以上が残るはずです。ボーナスもあるわけですし、“30年選手”の妻がその程度の金額を立て替えてというのは妙な感じがしました。その違和感の正体が明らかになったのは、それから1カ月後。大学入試の合格発表の季節でした。

妻には10歳下の弟がいます。ヤンチャな性格ですが、なぜか妻とはウマが合うらしく、妻は昔から大層かわいがっていました。数年前までは職を転々としていて、何十万円という借金をこしらえ、妻がそれを肩代わりしたこともあります。義弟は高校卒業後に授かり婚をし、今は3人の子供がいます。その次男が第一志望の大学に合格したという電話があり、義弟が妻に「学費の負担が大変だから、仕送りを増やしてほしい」と頼み込んでいるのを、たまたま立ち聞きしてしまったのです。

「そんな大事なことを、どうして黙っていたんだ!」。ついかっとなり、妻を問い詰めました。「私の問題だから」と口ごもる妻から強引に聞き出したところ、なんと、妻は義弟一家に対して月々の給料から15万円、ボーナスから20万円を援助していたのです。結果として妻の手元にはほとんどお金が残らず、銀行預金の残高はゼロに近いとのことでした。これには驚きました。そして、40歳にもなって生活費を姉に依存しながら何とも思わず、いけしゃあしゃあと増額を求めてくる義弟にも猛烈に腹が立ちました。