マネジャーとして5年間勤務した弁当店がコロナ不況で閉店することになり、突然クビを言い渡された。この春、宮田恵里さん(仮名)の身に起こった出来事です。宮田さんをスカウトした社長の息子が弁当店の経営に関わるようになり、その息子の不興を買ったのが原因でした。息子は自分の横暴を棚に上げ、反旗を翻したパートたちの裏で糸を引いていたのが宮田さんだと思い込んでいたようです。

しかし、マネジャーとは名ばかりで給料は時給計算、月々の家賃を支払うのが精一杯だったこともあり、リストラされた時点で貯蓄額はゼロでした。宮田さんはシングル、両親は既に亡く、1人きりのきょうだいである妹も経済的に余裕があるわけではありません。翌月の家賃も払えず、危うく路頭に迷うところだった宮田さんを救ったのが、あるお金の専門家でした。宮田さんが、波瀾万丈の経験を話してくれました。

〈宮田恵里さんプロフィール〉
神奈川県在住
42歳
女性
会社員(事務職)
結婚歴はなく1人暮らし
金融資産35万円(現在)

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私は、新卒で入社した小さなデザイン事務所に5年ほど勤務した後、企画会社や飲食店などの職場を転々としてきました。今年の春まで、地元で2店舗を運営する弁当店のマネジャーとして、30人ほどのパートさんを束ねる仕事をしていました。

マネジャーといっても待遇はパートさんと変わらず、給与は時給計算です。毎月の手取り収入は18万円を超えるか超えないかで、8万円の家賃を払うと生活はギリギリ。とても貯蓄などする余裕はありません。持病があって病院通いが欠かせないので国民健康保険料は払っていますが、国民年金はずっと未納でした。