株価下落で大損失、妻は娘を連れて実家へ…
神野君は、投資家仲間で定期開催するオンラインサロンで情報交換をしていました。まずはそのオンラインサロンに参加させてもらい、先輩投資家たちの話を必死でメモしました。しかし、会話に出てくるのは知らない銘柄ばかりで、とりあえず理解できたのは、GAFAM(※)のようなビッグネームだけ。とはいえ、それから間もなくして米国株を取り扱うネット証券で口座を開設し、アドバイス通りにチャートを確認した上である有名銘柄を購入しました。ちょうどクリスマスの頃でした。
※GAFAM:米国の大手IT企業5社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の頭文字を取った呼び名
当時からニューヨーク株式市場は米連邦準備理事会(FRB)による利上げへの警戒感から不安定な動きとなっていましたが、年が変わると、持ち株の株価があれよあれよと下がっていくではないですか。2月に入って少し持ち直したものの、ジェットコースターのようなアップダウンが続き、「このままでは心を病んでしまう」と売却を決意した時、軍資金は260万円まで減っていました。
今思えば、そこでやめておけば良かったのです。しかし、サロンの先輩方から「最初は皆そんなものだよ」と慰められ、懲りずに売買を繰り返した結果、4月には投資残高が200万円を切るまでになっていました。不運にも、そのタイミングで嫁に内緒にしていた投資が露見してしまったのです。会社の在宅ワーク推進で残業などの手当がカットされた上、業績不振で夏のボーナスも見送りが決まった、わが家の家計にとっても最悪のタイミングでした。
「どうして、そういう勝手なことするわけ?」「100万円ためるのがどれくらい大変か、全然分かってないよね?」「自分のお金だからいいや、と思ってるよね?」。激怒する嫁に対し、「お前や結真のために」とは、とても言えませんでした。そしてその翌日、嫁は結真を連れて都内の実家に戻ってしまったのです。
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※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。