中村梨沙さん(仮名)は天然酵母パンで知られるメーカーに入社して12年の中堅社員。コロナ禍でも大きく売り上げを伸ばしている通販部門で、20人の部下を束ねるチーフとして活躍しています。上司や取引先の信頼も厚く、新入社員の女子からは「仕事ができるだけじゃなくて、お茶をたしなんだり、SNSに映える料理を載せたりして、リアルも充実したかっこいい先輩。私服も超おしゃれ」と羨望のまなざしを向けられています。

しかし、ご本人の弁によれば、「ほんの1年ほど前までは“リア充”どころか、趣味らしい趣味もなく、ひたすら節約してお金を貯めるだけの“貯め込み女子”でした」というから驚きます。大変身の理由は「ある投資への勧誘をきっかけに、本当に信頼できる“人生の主治医”と出会ったこと」と話す中村さんに、運命の出会いを振り返ってもらいました。

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〈中村梨沙さんプロフィール〉
関東在住
34歳
女性
会社員(総合職)
結婚歴なしのシングルで独り暮らし
金融資産1800万円

私は、「就職第2氷河期」といわれるリーマン・ショック世代です。米国の投資銀行グループ、リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに世界同時不況が起きたのは、まさに就活を始めようという大学3年生の秋でした。金融機関だけでなく企業の業績はみるみる悪化し、1学年上の先輩たちには土壇場で内定を取り消された人もいました。

私たちが4年生になった年はさらにひどく、そもそも新卒の求人自体がほとんどありませんでした。私は旅行業界への就職を目指していましたが、50社以上に書類を送ってもなしのつぶて。最終的に内定をもらったのは今の会社だけでした。それでも、内定をもらえただけマシです。同級生の中には、就職浪人した人や、慌てて派遣会社に登録した人がかなりいましたから。

旅行会社でグローバルに活躍するという夢はかないませんでしたが、大した取りえもない私を採用してくれた今の会社には感謝しています。食品を扱うせいか社内は女性が多くアットホームな雰囲気で、居心地の良さも感じています。業界では中堅クラスですが、私が入社してからの10年は、米粉パンや通販に力を入れて着々と業績を伸ばしてきました。私は3年前から通販担当のチーフを務めていて、通販部門がコロナ禍でも前年比で150%近い数字を残しているのはちょっぴり自慢です。

というわけで仕事面は充実していましたが、少し前までプライベートでは正直、人に自慢できるようなことは何一つありませんでした。趣味らしい趣味もなく、SNSにアップするような話題もない。それは、ひとえに私の性格によるところが大きかったと思います。