<前編のあらすじ>
美咲は夫と息子の聡と3人家族だ。念願のマイホームを購入した後、70歳の実母から懇願されて同居を始めた。しかし母は約束の生活費を値切り続け、家には大量の通販の段ボールが届く。
不審に思った美咲が母の通帳を盗み見ると、そこにあったのは「残高3,412円」という絶望的な数字だった。貯金をすべて使い果たして娘夫婦の念願のマイホームをタダ宿扱いする母の裏切りに、美咲の怒りは限界に達していた。
●前編:「一緒に暮らせない?」実母の訴えで“想定外の同居生活”がスタート…娘夫婦の不満が爆発した「決定的な出来事」
問い詰められた母が放った「あり得ない暴言」
「これ、どういうこと!?」
帰宅した母の目の前に、私は残高3,412円の通帳を叩きつけた。母は一瞬、顔をこわばらせたが、すぐに般若のような形相に変わった。
「勝手に人のカバンを開けるなんて、泥棒猫みたいな真似して! 娘のくせに親を管理する気!?」
「泥棒はどっちよ! お金がないって嘘をついて生活費を踏み倒して、自分はブランド品やゴミみたいな健康器具ばかり買って! 私たちがどんな思いで毎月ローンを返してるか、知ってるの!?」
母はフンと鼻で笑い、信じられない言葉を吐き捨てた。
「タダで住まわせろなんて一言も言ってないじゃない! 毎月2万も3万も入れてあげてるでしょうが。そもそも、親の老後の面倒を見るのは子供の義務よ。私が家を売ったお金をどう使おうが、私の勝手でしょ!」
その夜を境に、我が家の空気は完全に凍りついた。母は食事を自分の部屋に持ち込み、私と一切口をきかなくなった。さらに最悪なことに、それまで静観していた夫がついに口を開いた。
「美咲、申し訳ないけど、このままお義母さんと一緒に暮らすのは無理だ。このままだと俺たちの家庭が壊れる。来月までにお義母さんに家を出てもらうか、それが無理なら俺が聡を連れて家を出る」
夫の言葉は静かだったが、本気だった。聡の家庭学習の成績も、家の中の異常な緊張感のせいで目に見えて落ちていた。実の母親のせいで、私が命がけで守ってきた家族がバラバラになろうとしている。私は夜、お風呂場で声を殺して号泣した。
