〈前編のあらすじ〉

精密機器メーカーに勤める高木圭さん(仮名、31歳)は、高校の同級生だった妻ともうすぐ5歳になる娘・結真(ゆま)ちゃんの3人家族。会社が借り上げている社宅で暮らしていました。

ある日、仲の良い同僚から「米国株投資で200万円が2倍以上になった」という話を聞いた高木さんは心を動かされ、早速オンラインサロンに参加。アドバイス通りに有名銘柄を購入し米国株投資を始めました。高木さんには娘を近くの有名私立小学校に入れたいという希望があり、そのための資金を用意したかったのです。

ところが、見る見るうちに株価が下落。300万円あった資金を100万円以上も溶かしてしまいます。さらに不運は重なり、そのタイミングで妻に内緒だった投資が露見。激怒した妻は娘を連れて家を出て行ってしまい……。

●「このままでは心を病んでしまう」…人生最悪の悲劇はなぜ起きた? 前編を読む>>

「100%あんたが悪い」小言の後、母に紹介された人物

嫁の香奈が娘を連れて家を出て行って1週間。嫁のパート先の美容院や娘の幼稚園にさりげなく探りを入れ、普段通りに過ごしている様子にほっと胸をなで下ろしていたら、今度は母親から電話がかかってきました。

「香奈ちゃんから話は聞いたけど、100%あんたが悪い」

嫁は高校時代から母親のお気に入りで、嫁とけんかになると、母親は必ず嫁に肩入れします。「どっちの親だよ」というぼやきをぐっとのみ込み、ひとしきりお小言を頂戴した後、「いい人がいるから相談してみなよ。FP(ファイナンシャルプランナー)というお金の専門家で、本当に的確なアドバイスをくれるから」と紹介されたのが、桑原さんでした。