妻の方が投資に積極的…? 教わった3つの“王道”手法

その週末、娘の好物のケーキを持って、嫁の実家に2人を迎えに行きました。嫁も既に桑原さんとの面談を済ませていたらしく、「桑原さんに『香奈さんの方がずっと家計運営のセンスがある』って言われた。これからは圭君の好き勝手にさせないから」とまんざらでもなさそうな様子です。

自宅に戻ってすぐに2人でiDeCoの検索&比較サイト「iDeCoナビ」を開き、ああでもない、こうでもないと言いながら、資料請求の手続きをしました。結果として、運営管理機関は別々でしたが、運用対象として選んだのは2人とも「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する投資信託でした。

あれから3カ月。米国の株式市場はますます乱高下がきつくなり、神野君は会う度に目の下のクマが濃くなってきています。聞けば、ドル建ての資産は昨年末比でほぼ半減してしまい、円安でカバーできる今のうちに換金すべきかどうか悩んでいるとのこと。「とはいえ、相場が開くと目が離せなくなって、毎日寝不足なんだよね~」と話す姿からは、「5年後にFIREする」と宣言していた頃の精気は全く感じられません。

投資環境が良くないのはiDeCoの積み立ても同じです。しかし、嫁は「下がってくれた方が、たくさん買えるからいいじゃん」と全く動じていません。そんな嫁の落ち着き払った態度を「俺よりよっぽど投資に向いてるかも」と少々うらやましく思う一方で、桑原さんが教えてくれた「積み立て・分散・長期」の3つの投資の実効性を痛感する毎日です。

自分の小遣いを見直し、嫁名義のiDeCoを始めたことにより、毎月貯蓄や投資に回す金額はほぼ倍増しました。今のペースで貯蓄を増やしていければ、2年後の小学校は無理でも、8年後の中学校からは結真を憧れの私立に通わせることができそうです。財産の危機のみならず夫婦の危機をも救ってくれた桑原さんには、足を向けて寝られません。

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※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。