最初は、母親の言いなりになって相談に行くつもりなど毛頭ありませんでした。本音を言えば、投資でちょっと失敗したくらいで、どうしてそんなに責められなきゃいけないんだという思いでした。3日後に桑原さんの事務所を訪れたのは、ちらっとのぞいた桑原さんのサイトで、米国の有名大学院を修了し、一流会計事務所で勤務した後にFP資格を取り、うちの両親のような下町のおじちゃんやおばちゃんに囲まれた商店街で開業している桑原さんの経歴に興味を抱いたからです。

“直球”指摘…手ごわいながらも的確なアドバイス

桑原さんは自分よりも2、3歳年上のはずですが、化粧気のないベビーフェイスは20代でも十分通用しそうでした。米国株のことを言ってくると思っていたので、嫁が記入していた家計簿に目を通した後、「とてもしっかり家計運営されていますね」と褒められたのには拍子抜けしました。

しかし、その直後、「高木さんのお小遣いは月10万円? その中からお嬢さんのために月2万円を貯蓄しているとしても、ちょっと多いですね」という突っ込みが……。「家族で外食したり旅行をしたりする費用も、僕の小遣いから払っているので」と言い訳をすると、「そういうやり方だと、支出の管理が曖昧になります。外食やレジャーの費用はちゃんと別に予算を組んでおくのがいいですね」と切り返されました。これはなかなか手ごわいぞ、と思いました。