優れた”アクティブファンドの選び方

定性的に商品性や運用力を見極め

過去の実績重視で選定されることが多いアクティブファンドですが、データで見ると過去の実績とその後の運用成績との間には明確な関係は見られません。つまり、過去の実績を調べるだけでは、これから良好な運用成績が期待される“優れた”アクティブファンドは選ぶことはできません。

ファンド評価機関の中には、過去の実績にとらわれず、今後の成績を左右する商品性や運用力の定性評価を重視するところもあります。定性評価重視の評価機関の事例から、彼らが将来の運用成績に貢献できるファンド選定のために、情報収集や評価体制及び評価手法さらには付加価値の検証などで様々な工夫を行っていることを見ていただきました。

1.ファンド選びの重要性
・アクティブファンドではファンド選定の成否で運用成果に大きな差が
・ファンド選定で平均以上であれば、インデックスファンドを超える投資成果が可能に

2.運用成績による選定とその限界
・過去の運用実績の優劣は、これからの運用成績の優劣とは無関係

3.選定の決め手は定性評価
・将来の運用成績に対する信頼度を測るには、現在の商品性や運用力を定性的に評価する必要
・一般の投資家でも実行可能なシンプルな評価方法を提言

4.商品性の評価
・運用方針や投資対象あるいはコストなど運用者の裁量などでは変更できないファンドの基本設計を評価
・7つの評価項目と判断基準について説明

5.運用力の評価(前編)
・運用体制や運用プロセスなど運用者などの裁量で活用できる超過収益の源泉を評価
・前編では、運用力評価の考え方を解説し、全17評価項目のうち運用体制に関わる5項目とその判断基準を解説

6.運用力の評価(後編)
・運用体制や運用プロセスなど運用者などの裁量で活用できる超過収益の源泉を評価
・後編では、全17評価項目のうち運用プロセスと情報開示に関わる12の評価項目とその判断基準を説明

7.評価機関による評価結果の利用
・定性評価に注力し、さらに評価結果を一般投資家にも開示する評価機関は極めて少数
・利用できる場合でも、評価情報の客観性の見極めが不可欠

8.評価機関による運用力評価① 評価体制と情報収集
・定性評価に注力する評価機関の事例
・分析評価チームは運用経験者を中心にグローバル体制
・評価に必要な情報は運用会社のご協力により効率的に収集

9.評価機関による運用力評価② 運用実績と投資判断事例
・定性評価に注力する評価機関の事例
・運用力の源を探るため典型的な投資判断事例を分析
・確認したい事項を集約して運用者インタビューの準備

10.評価機関による運用力評価③ 運用者インタビューと現地調査
・定性評価に注力する評価機関の事例
・運用者インタビューはできる限り現地訪問で、他メンバーのヒアリングやその他調査も兼ねて

11.評価機関による運用力評価④ 評価項目と有効性検証
・定性評価に注力する評価機関の事例
・全ファンド共通かつ基準が統一された評価項目
・評価結果の付加価値の継続測定と開示