昨年9月以降21回にわたり、“篠原滋の投資信託選びの「新常識」”と題し、投資信託を利用してさらに“賢く”資産形成・運用を行うために重要なことを、私の25年間の経験に基づいてお話ししてきました。その中には、他のメディアなどの論調とは大きく異なる説明もあったと思います。また、ファンド選びの枠には収まらないお話も敢えてしてきました。

今回は、本連載の最終回として、これまでお話ししてきましたことを振り返ります。

目からウロコのアクティブF vs インデックスF

インデックスFに勝るとも劣らないアクティブF

最初のテーマとして、ファンド選びで避けられないアクティブファンドかインデックスファンドかの選択についてお話ししました。インデックスファンド優位のご意見が大勢を占める中で、アクティブファンドには、そのコスト差を考慮しても、インデックスファンドにはない付加価値があることをお示ししました。

1.ファンド選定の重要度
・ファンド選定に手間や時間をかけてもよい場合には、アクティブファンドにも利用する価値あり
・ファンド選びに手間や時間をかけたくない方には、インデックスファンドを

2.過去:運用成績
・平均リターン(信託報酬控除後)で比較。国内株式・債券・REITでは、アクティブファンド>インデックスファンド
・海外資産でも、米国株を除き、アクティブファンド優位

3.現在:商品性
・アクティブファンドは、コストが高いものの、インデックスに採用されない小型株や格付けの低い高利回り債券等、相対的に期待リターンの高い投資対象にも投資可能
・投資手法の違い(アクティブファンドのキャッシュ保有+逆張り投資)は投資環境次第でプラスにもマイナスにも寄与
米国株での近年のアクティブファンド不振は、この投資手法の違いが大きく影響か

4.未来:優位な市場環境
・アクティブファンドが優位性を発揮しやすい環境を考えると、全ての投資対象で、今後はアクティブファンドのさらなる活躍余地が見込まれるとの筆者の考えをご紹介

5.運用実績に関する質問にお答えします
第2回の過去の実績の比較に関して、読者の方から有益なご指摘をいただきましたため、ご指摘を反映して再度比較
・リスク調整後リターンでの比較や購入時手数料も含めた比較でも、アクティブファンドの優位性は変わらず