過去3回にわたり連載してきましたインデックスファンドの選び方も最終回となりました。今回はインデックスファンド選びの3つのステップの最後の段階である今後の信頼度の見極め方(定性評価)についてご説明します。
皆様には、”優れた”インデックスファンドを選んで投資するために、これまでお話しましたポイントに沿って、まずはご自身の資産運用に最適な市場指数をベンチマークに選んでいただきました。次に、過去の運用成績からベンチマークによく連動しているファンド数本を候補に選んでいただきました。あとはその中からコストの一番安いものを選べばよいように思えますが、本当にそうでしょうか?
前回お話ししましたように、インデックスファンドの運用力は、組み入れ証券の緻密な売買を含む運用管理能力です。過去にベンチマークに上手に連動させたインデックスファンドは、おそらく今後も連動させてくれる可能性は高いでしょう。
ただし、過去はたまたま良かっただけかもしれませんし、今後その管理能力が低下することがあるかもしれません。iDeCoを含む確定拠出年金や積立NISAのように、長期にわたり同じファンドに継続して投資される可能性がある場合には、投資される前にもう一段踏み込んで、候補ファンドの品質をチェックしていただきたいと思います。
信頼できるインデックスファンドの見極め
商品性および運用力から懸念される点がないかを確認
皆様が選びたいインデックスファンドとはどんなファンドでしょうか? 狙った市場指数に連動する成果を目指されるわけですから、選びたいのはこれからベンチマークにしっかり連動させてくれる(と思われる)インデックファンドということになるでしょう。筆者は、そうした“優れた”インデックスファンドは、少なくとも以下の点で不安のないファンドであると考えます。
そこで、アクティブ運用の商品性や運用力の評価と同様に、上記を踏まえた、一般投資家の方でも実行可能なシンプルな評価体系をご提案します。評価項目は商品性に関する4項目と運用力に関する5項目の合計9項目です。インデックスファンドでは、商品性および運用力のいずれであっても不適格と思われる項目がある場合には、そのファンドの利用は見送り、同じベンチマークへの連動を目指す別のファンドを検討すべきと考えます。
なお、多くのインデックスファンドでは、運用の効率性を高めるために、マザーファンドやETFを組み入れる形で投資を行っています。これらのファンドでは、運用力の評価では組み入れられるマザーファンドやETFも併せて評価の対象となります。
それでは各項目についてお話しします。