“優れた”インデックスファンドの選び方

インデックスファンドならではの選定の難しさ

インデックスファンドではファンド間で投資成果に大きな差がつかないため、ファンド選定は重視されない、もしくはコスト差のみで選ばれる傾向があります。しかしながら、インデックスファンドはそれ自体では投資判断を行わないため、ご自身のファンド選定次第で運用成果がほぼ決まってしまうと認識していただくことが重要です。

選定プロセスで最も重要なものは連動させるベンチマーク選びです。銘柄を選ばない投資を行うためにインデックスファンドを利用するにも関わらず、あえて対象銘柄が限定されたベンチマークを選ぶことで、結果として意図せずに銘柄選定を行ってしまう可能性には注意が必要です。

また、インデックスファンドの運用実績は、ベンチマークとファンドを連動させるための管理能力の高さの表れであり、過去の成績でその管理能力をおおよそ判定することができます。しかしながら、過去の連動性の高さは偶然であった可能性もあるため、今後の信頼性も定性的に評価することが重要です。

1.実は簡単ではないインデックスファンド選び
・インデックスファンドは、ファンド自体では投資判断は行わないため、どのファンドを選ぶかで投資成果がほぼ決定
・3段階の選定プロセスを提言

2.何よりも重要なベンチマーク選び
・第1段階は、連動させるベンチマーク選び
・インデックスファンド投資の成果はベンチマーク選びで決定
・選定に迷ったらより対象の広いベンチマークを選び、より幅広く分散投資を行うことが賢明

3.誤解が多いインデックスファンドの運用実績
・第2段階は、過去の運用実績の評価
・ただし、インデックスファンドの実績は、リターンの大きさではなく、ベンチマークとの連動性もしくはズレの大きさで測定
・過去にベンチマークに上手く連動させたファンドは、今後も上手く連動させる可能性が高い

4.信頼できるインデックスファンドを見極める
・第3段階は、これからの信頼度を定性的に評価
・商品性と運用力の合計9項目から評価する、一般投資家でも実行可能な評価方法を提言

 健康診断としてのモニタリング

ファンドの変化を早期に発見し、早いうちに対応

投資信託を利用して資産運用を行う際には、利用するファンドを厳選することは非常に重要です。しかしながら、投資後も運用状況を定期的にチェックし、想定と異なる変化があれば早めに対応することも、長期にわたる投資成果に繋げるためには不可欠です。

1.運用状況のモニタリング
・モニタリングとは投資信託の“健康診断”であり、定期的継続的な運用状況の監視により、想定と異なる変化に迅速に対応
・モニタリングが重要な役割を果たす事例として、人気アクティブファンドがたどりがちな運命をご紹介
・運用力低下につながりかねない兆候の有無にフォーカスしたシンプルなモニタリング手法をご提案

以上で、“篠原滋の投資信託選びの「新常識」”の連載を終了いたします。本稿でご紹介しました数々の「新常識」が、皆様の資産運用の成功の一助となりますことを確信しております。

これまで21回にわたりお付き合いいただき、また読了いただき誠にありがとうございました。

この場をお借りしまして心より御礼申し上げます。