前回は、「アクティブファンド選定の決め手は定性評価」というタイトルで、今後良好な運用成績が期待される“優れた”アクティブファンドの選定には、運用成績以外の要素による定性評価が極めて重要であるということをお話ししました。

今回より3回にわたり、アクティブファンドの定性評価の考え方や評価方法を、私が考えるシンプルかつ効果的と思われる手法に沿ってご説明します。

私が考えるアクティブファンドの定性評価の視点は、ファンドの商品性およびファンドの運用力の2つです。商品性は定性評価の対象ではないとの考え方もありますが、対象ファンドの将来のパフォーマンスに大きな影響を与えますので、本稿では定性評価の対象として整理します。 

 

今回は商品性の評価についてお話しします。

 

投資成果を左右するアクティブファンドの商品性

ファンドの基本設計が許容できるかを判定

商品性については、対象ファンドの基本設計が投資家の皆様にとって許容範囲にあるかどうかを項目ごとに判定します。以下の7項目は、継続的にあるいは最終的に運用成果に大きな影響を及ぼすにも関わらず、運用者やチームの努力および判断では変更・改善することができません。7項目中1項目でも不適格と考えられるファンドへの投資は見送るべきでしょう。また、十分な情報が開示されておらず判断が困難な項目があるファンドについても、次回以降ご説明する運用力評価の結果が余程優れていない限りは、慎重に検討すべきと考えます。

(1)投資対象/運用方針/現在のポートフォリオ
(2)運用目標
(3)(直接)コスト
(4)運用資産規模と増減スピード
(5)分配水準・頻度
(6)運用の継続性
(7)解約条件

それでは各評価項目について、次ページでご説明します。