投資経験者、未経験者9722人の金融知識

全国の18歳以上9722人に金融庁が行った「令和6年リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査」では資産運用に関する意識や状況について質問している。中でも金融知識に関する初歩的な質問への回答率は自身の金融リテラシーの確認にも役立つだろう。なお同調査の回答者の内訳は以下のとおり、投資経験者・未経験者ともに含まれる。

・投資経験者:7000人(72.0%)
・投資未経験・検討者:1504人(15.5%)
・投資未経験・未検討者:1218人(12.5%)
・男性:60.5% 女性:39.5%

年代はボリュームゾーンの40代~70代までで約75%を占める。

回答者の年代を表した図表
 
出所:金融庁「令和6年リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」
 

金利と債券価格の関係

調査では金融リテラシーに関する質問をいくつか行っている。例えば下記のような「金利が上昇すると、固定金利の債券の価格はどうなると思うか」といった質問だ。

金融リテラシーに関する質問結果を表した図表
 
出所:金融庁「令和6年リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」
 

回答の選択肢は、「下がる」「上がる」「変化しない」「債券価格と金利の間には何の関係もない」「分からない」の5つ。

この質問の正解は「下がる」だが、回答者の正答率は次のとおりだった。

「金利と債券価格の関係」正答率

・投資経験者:36.4%
・投資未経験・検討者:17.2%
・投資未経験・未検討者:9.0%

投資経験者でも正答率は4割に満たず、未経験者になると約1~2割と低い回答率となった。中でも「分からない」と回答した割合は、投資未経験・未検討者では66.3%に達した。

年代別でも見てみよう。投資経験者では70代(42.8%)、50代(39.0%)、60代(38.1%)の順に正答率が高く、20代以下が最も低い(23.7%)。投資未経験者も似た傾向にあり、若年層ほど金利と債券価格の関係についての理解が不足しているようだ。