なぜ金利が上がると債券価格は下がるのか?
金利と債券の関係は、シーソーのようなものだ。金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が低下すると債券価格は上昇する。
なぜだろうか。例で考えてみよう。今、あなたは金利1%の固定利付債券を持っているとする。その後、市場金利が2%に上昇した。すると、あなたの持つ金利1%の債券は相対的に魅力が落ちてしまう。魅力が落ちるということは買い手が減ることにつながる。結果、あなたの持つ1%の債券は魅力が薄れ、需要が減って価格は下がってしまう。これが金利が上昇すると債券の価格が下がるという関係性だ。
逆に市場金利が0.5%に下がれば、あなたの持つ1%の債券は相対的に魅力が増し、欲しい人が増えるため価格は上昇する。
将来の資産を左右する? 金融リテラシーを高める必要性
同調査の結果から、投資経験の有無にかかわらず基本的な金融知識が広く浸透しているとはいいがたいことが分かった。投資経験者の中でも金利と債券価格の関係を正しく理解している人は4割に満たなかった。
物価上昇の実感が日に日に増し、「貯蓄から投資へ」という流れが加速する中、金融商品の基本的な性質を理解することはますます重要になっている。金融リテラシーを高めることは将来の資産形成において需要な役割を果たすはずだ。
●金利と債券の関係は分かったけれど…金利とインフレの関係は? 中編「金利とインフレの関係」を正しく理解できている人の割合は? 【回答者の保有資産額も開示】にて解説する。
調査概要 調査名:「令和6年リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査」 調査主体:金融庁 調査実施期間:2024年1月~2月 有効回答者数:9722人(全国18歳以上、金融機関従事者除く)