前回は、アクティブファンド間のリターン差の大きさを示し、アクティブファンドの利用ではファンド選定が非常に重要であることを見ていただきました。また、過去のデータで見ると、平均以上のファンドを選ぶことができれば、インデックスファンドを上回る成果を挙げることができていることもご説明しました。
今回は、“優れた”アクティブファンドの選定における過去の運用成績の重要性についてご説明します。しかしその前に、まずは「“優れた”アクティブファンド」とはどういうものなのか考えたいと思います。
“優れた”ファンドに求められる要件は“未来の”運用成績
ファンド選定は資産運用/投資をこれから実行するために行います。そのため重要なのは、あくまでも“これからの”運用成績のはずです。ところが、「優れたファンドとは?」と問われると、金融業界で働く方々も含め、「(過去の)運用成績の優れたもの」と答える方が多いことには驚かされます。ファンド選定を代行するファンドラップ等でも、「過去の実績の優れたファンドに投資をします」と謳っているものが散見されます。求めるのは今後のパフォーマンスであるにもかかわらずです。
もちろん、過去のパフォーマンスが優れたファンドはこれからも良好な運用成績を挙げる可能性が高いのであれば、過去の実績のみで“優れた”ファンドを選ぶことも可能です。しかしながら、本当に過去の実績は今後の成績に繋がるでしょうか? 国内籍公募投資信託のデータを使って検証してみましょう。