「外部委託運用」と「投資助言」の違いとは?

運用で外部の力を借りるもう1つの方法として、投資助言がある。外部委託運用と投資助言は、運用指図の権限がどの会社にあるかという点に大きな違いがある。外部委託運用の場合、外部委託先の会社に運用指図の権限があり、自ら投資判断を行い実行に移すことができる。これに対し、投資助言の場合、助言会社に認められているのは、あくまでも助言のみで、最終的な投資判断は依頼元の運用会社が行うこととなっている。

近年の投資助言の成功例として、日興アセットマネジメントと戦略的パートナーシップ契約を締結する米アーク社がある。2014年創業のアーク社は、未来の世界を変え得る「破壊的イノベーション」に着目し、独自の調査方法で銘柄を選定・投資する点に特徴がある。同社の旗艦戦略は、過去数年間で大きくパフォーマンスを伸ばしたこともあり、本国の米国でも大いに注目を浴びた。しかし、2021年は一転、成績低迷に苦しめられている。

同社の戦略は、株価の変動幅が大きいテクノロジー関連銘柄を多く組み入れるため、短期的な価格変動は十分想定できるのだが、こうした可能性について、投資家にきちんと周知できていたかについては疑問が残る。継続的な支持獲得のためには、パフォーマンスだけでなく、アフターフォローも含め、「餅屋」からのメッセージをどこまで、どのような形で最終投資家に届けるかの視点が重要だ。