今回はアクティブファンドの運用力を見定めるための定性評価の全体像と、その中の運用体制に関わる評価項目と判定基準についてご説明しました。現在開示されている情報のみでは、多くの評価項目でプラス評価ができず、結果的に低い評価に甘んじる投資信託も多くなると思われます。しかし、運用力によって運用成績に大きな差が出るアクティブファンドには、不確かな情報や見込みで投資することは避けるべきでしょう。あくまでも対象ファンドを保守的に評価し、良く理解した上で、投資を行うべきと考えます。
次回はアクティブファンドの運用力評価のうち、運用プロセス並びに情報開示に関わる評価項目と判定基準についてお話しします。
著者情報
篠原 滋
しのはら しげる
株式会社お金の育て方 代表取締役/資産運用ナビゲーター
1996年に野村證券株式会社にて投資信託分析・評価業務を立ち上げ、独自の定性評価中心のプロセスを確立。2000年の野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー株式会社(“NFR&T”、野村フィデュシャリー・リサーチ・アンド・コンサルティング株式会社(”NFRC”)の前身)設立を経て、25年にわたり東京、ニューヨーク、ロンドンを拠点に国内外の多数の運用会社/ファンドの分析調査及び選定ファンドの組み合わせによる投資助言に従事。2021年9月に独立し、独自の視点に基づく合理的な資産運用並びに投資信託活用に関する情報発信を開始。2022年6月に株式会社お金の育て方設立に参加し代表取締役に就任。国際基督教大学教養学部卒。米国ニューヨーク大学スターン経営大学院経営学修士(MBA)課程修了。
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