老人の日に思う、「8050」から「9060」、そして「10070」へ
ところで、厚生労働省の調査※5によると、60代後半の要介護者を介護する人の59%が60代です。そして70代の要介護者を介護するのも、56%は70代になります。これは妻を夫が介護する(又はその逆)という「老老介護」を意味します。
※5 出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(令和2年7月17日)
そして、80代の要介護者を介護する人の多くは50代(31%)と60代(21%)になります。これが90代以上になると、介護するのは60代(58%)が中心になるのです。つまり、多くの人は50代になると、まず「親の介護」に直面し、それが終わるとやってくる「配偶者(又は自分)の介護」にも備える必要がある、ということです。
我が家の介護は、80代の義父と50代の私と妻、言わば、「8050」の関係です。先ほども確認した、介護の典型的な年代パターンと言えますね。義父は退院したばかりで予断を許さない状況ではありますが、これからも「介護のプロ」の力をお借りしながら、もう一つのパターン、「9060」を目指していくのかなぁ~、とも思います。
そう言えば、私の父方の祖母は大正10年(1921年)生まれ、まさに今年の「百歳高齢者表彰」の対象者でした。今、祖母の面倒をみてくれているのが、70代の叔父と叔母ですから、言うなれば、「10070」ですね。あまり想像したくはありませんが、親の介護と配偶者の介護を同じ時期に経験する、そんなダブル介護の時代が来るのかもしれません。そして、「介護のプロ」がますます求められる時代になる、そんなことにも思いを馳せた、今年の「老人の日」でした。