突然やってくる介護、どこの誰に相談すればいいの?

先ほど、介護は人それぞれと申し上げましたが、実は、誰にでも当てはまることが一つあります。それは……「介護は突然やってくる!」ということです。我が家の場合も、5年前の春、義父の介護が突然やってきました(苦笑)。そして、突然やってくるものだからこそ、介護への備えや心構えもなかなかできない、そういうことなのだと思います。ですから、「介護に直面した時、どこの誰に相談すればいいのか?」そんな基礎知識を我が家の経験も交えながらお伝えしましょう。

まず、介護に備える第一歩は、「地域包括支援センター」の確認だと思います。物の本では「地域包括支援センターは要支援1や2と認定された人の相談窓口」とありますが、その名の通り、包括して支援してくれるので、認定がなくても相談OKです。いわば、介護の“よろず相談窓口”と言えるでしょう。中学校の2学区に1カ所の割合で設置されているので、ご自宅近くのどこに「地域包括支援センター」があるのか、ついでにご両親のお住いの周りでも探してみてください。もしかしたら、「近所にあるなら、いざとなってから探せばいい」なんて思う人がいるかもしれませんね。でも、必ずしも役所に併設されているわけではありません。我が家がお世話になった「地域包括支援センター」も住宅街にひっそりと佇んでいました。いざとなった時に慌てないためにも、実際に確認しておくことをお薦めします。繰り返しになりますが、それが介護に備える小さくても大切な一歩になるはずです。

さて、介護保険サービスを利用するには、要介護・要支援認定※2を受ける必要があります。要介護の認定後、特養などの施設入所を考える場合※3は、直接、施設に相談します。在宅介護を希望する場合は、居宅介護支援事業所※4にいる「ケアマネジャー」と相談しながら、どの介護サービスを、いつ、どれだけ利用するのか、いわゆる「ケアプラン」を作ってもらいます。これが、「在宅介護ではケアマネジャーとの付き合い方が大事だ」と言われる所以ですね。ネット上だと、「あのケアマネとは合わない!嫌い!」なんて話もよく目にします。

※2 要介護は1~5の5段階、要支援は1か2の2段階
※3 特養(介護老人福祉施設)は、原則要介護3~5で利用可能
※4 他の介護サービス事業所(例えば、ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイ等)に併設されているケースが多い

でも、ケアマネジャーと要介護者、その家族も含めた相性なんて、自分だけではコントロールできないことですよね。ですから、自分が「いま、できる、こと」は何か、それに集中する方が得策だと思うのです。つまり、相性を心配するよりも大切なのは、要介護者のことをどれだけ「ケアマネジャー」に分かってもらえるか、だと思います。我が家では義父の介護日記をつけて、「ケアマネジャー」に読んでもらいました。これも皆さんにお薦めしたい、介護のコツの一つです。

あと、介護あるあるとも言えますが、高齢になって入院すると、介護が急に必要になるケースが少なくありません。我が家の義父も入院中に認知症を発症しました。そんな時に、実に頼りになるのが「医療ソーシャルワーカー(MSW)」です。MSWは、地域の保健・医療・福祉機関と連携し、患者の在宅医療の準備をサポートしてくれます。施設入所や介護保険申請の相談にも応じてくれますので、義父が認知症病棟から特養へ入所する時も大変お世話になりました。「入院中に介護が必要になったら、MSWに相談する」、これも覚えておいて損はない、介護の知恵だと思います。