ネットで何でも調べられる時代でも、プロにしかできないことはある

私はアメリカで日本語を話す方を対象に、ファイナンシャルプランナーとしてサービスを提供させていただいています。この仕事にやりがいを感じる反面、プラニングという“目に見えないもの”に対してお金をいただくということに大きな責任を感じます。ロサンゼルス近郊にお住まいだと稀に実際にお会いしてのミーティングもありますが、アメリカ全土を対象にしているため、お客様はニューヨークからハワイまでいらっしゃいます。そのため基本的にZoomを使ってのオンラインで進めていきます。事務所のレンタル料もなければ、大がかりな設備もいらない自宅一室での弱小ビジネスです。

とはいえ、職業ライセンスやビジネス関係の登録維持、財務ソフトやアウトソースの業務ヘルプなどを含めると、それなりのコストになり、結果、時間給でいただいているプラニング料金(料金例は後述)もそれなりの額になります。

「日本人はサービスにお金を払わない」とよく聞きます。

私たち夫婦自身のことを考えても当てはまるように思います。先日、キッチンシンクの下で水漏れが発覚しました。「オレが見てみる」と夫。ところが、一体どこから漏れているのかが特定できません。あちこち緩めたり締めたりするものの、ちっとも直らない。時間ばかり掛かり、しまいには二人とも機嫌が悪くなる……結局プラマー(配管工)を呼ぶことになりました。「ああ、こんなことならば最初からお願いすればよかった」と思いつつ。

今のインターネット時代、オンラインでハウツー情報や親切な動画などもありますから、案外何でもできそうにも思うけれど(『水漏れ』と入力し検索するだけで、修理のハウツーのページはたくさん出てきますよね)、やはり実際の経験がないと簡単にいかないこともたくさんある。そして、情報はたくさんあるけれど、関連性の高く質の良い情報を見極めることはなかなか難しくもあります。また、情報を集めてやろうとすればできなくはないが、そんな時間があるならば、他のことをして過ごしたほうが自分らしい生き方かもしれないとも感じたのです。それは水漏れしかり、そしてファイナンシャルプランニングもしかり――と。