ファンドの一物多価問題は、かつてアメリカにも存在した
しばらく前のことですが、日本ではファンドの「一物多価」が問題になったと聞きました。同じインデックスに追従するファンドなのに、信託報酬が異なるのはいかがなものかというのが論点でした。
もちろんアメリカでもこの問題はありました。2000年代前半には、まったく同じ1つのファンドに7つも8つも異なる手数料(信託報酬と販売手数料を含む)が設定されているということは珍しくありませんでした。どこで誰を通して買うかでコストが全く違ったわけです。幸い、2008年の金融恐慌以来、ファンドの手数料に対する投資家の目が厳しくなり、「誰も通さず、オンラインでファンドを買うのが一番安い」という考え方が浸透してきました。
それでもお手伝いするお客様の中には、銀行の窓口や投資アドバイザーから比較的高い手数料を払ってファンドを購入する方もいらっしゃいます。人を介して投資をすれば、何か質問があったり手続きが必要な時には、ことさら手厚くサービスが受けられる可能性があります。それに代価を払う価値があると判断するなら、比較的高い手数料を払うのも個人の選択だと思います。
要は、「自分が何にお金を払っているか」、そしてそれには「払っている代金だけの価値があるのか」その判断にかかると思います。