2023年3月に、Silicon Valley BankとSignature Bankが破綻しました。

アメリカでは金融機関が破綻した場合に、預金者や投資家を守るための保険機構があります。

一つはFDIC(米国連邦預金保険公社)で、銀行が破綻したときに預金者の預金を守るものです。一機関につき一人あたり$250,000(約3,280万円)まで守られます。アメリカでは銀行口座を夫婦の共同名義(ジョイント口座)にすることも多く、その場合は2倍の$500,000(約6,570万円)まで守られます。

もう一つの保険機関はSPIC(証券投資者保護公社)で、こちらは証券投資者の資産を守ります。金融機関が破綻したときの投資資産を一機関につき一人あたり$500,000(約6,570万円)までを補償します。これは、破綻のときの補償であって、当然ながら投資リスクによる元金割れなどはカバーしません。

今回破綻したSilicon Valley BankとSignature Bankはどちらも銀行だったので、前者のFDICの範疇です。

アメリカでは、そもそも$250,000もの大金を銀行に持っている人は多くはありません。まず、お金があまりない人々なら、そもそも銀行にお金が貯まりません。また、お金がある人々なら、当面必要な額を預金にキープし、あとはさっさと投資に回します。なので、$250,000もの現金を銀行に眠らしている人は多くはないのです。

そんなわけで、銀行の破綻やその連鎖反応で“精神的”に不安を感じる人はいましたが、実際「お金を動かさなくては」と慌てた人はそれほど多くなかったように感じます。